『構造設計事務所設立計画』~構造事務所を作るのには、いくら必要?

平成28年11月03日

 独立して構造設計事務所を設立するには何が必要?資金はいくら必要?

 独立を考えている構造設計事務所勤務の知り合いと事務所設立までに必要な事を考えてみました。ゆくゆくは規模を大きくしたいと考えていますが、まずは一人で業務を行います。



1.事務所を借りる

 さて、まずは事務所を借りたいと考えています。これから、各種登録や手続きに所在地は必要です。経費的には自宅で仕事をする選択肢もありますが、公私の区別を付けたいのと気持ちを切り替えたいので事務所を借りることにしました。

条件としては以下を考えました。

・打ち合わせに呼ばれた時にすぐに行けるように東京都23区内、山手線沿線であること。
・事務所の所在地が明らかにマンションの一室と言うのは箔をつけるために避けたい。
・初期費用が余り掛からないこと。

 ネットで色々と探しましたが、リージャスのレンタルオフィスを借りることにしました。理由としては初期費用が少ないことと机などの設備も付いていることです。光熱費も含まれています。



 リージャスのサイトから、私が選んだ物件は芝大門のこの物件のプライベートオフィスです。一人で仕事をするのでこの程度で十分です。

 

家賃はと言うと59,900円、保証金は二か月分で119,800円です。
※本物件をご検討の方はレンタル費用についてはリージャスにお問い合わせください。

その他、この物件は選んだ理由としては以下があります。
・自宅から、一時間弱で通勤できること。
(まあ、このくらいはしょうがない。ちなみに定期代は月額13,900円です。)
・田町の日本建築学会が近いので建築学会の図書館で調べものをするもの便利なこと。
・ついでにサラリーマンの憩いの地、新橋も近いこと(笑)

【只今の費用】
 初期費用:119,800円
 月額経費: 73,800円


2.OA機器、通信機器を揃える

 次にOA機器、通信機器を揃える。ちなみにネット回線はレンタルオフィスのWi-Fiサービスがあるので不要です。

①パソコン

 構造計算を行う上でも必要なパソコン。それほど、高スペックな物は必要ないが、メーカーとしては、HPが好きなのでこのパソコンにした。
HP Directplus -HP公式オンラインストア-

ディスプレイ、オフィスソフト等を付けて、101,995円(税込)

②プリンタ・コピー複合機

プリンタ・コピー複合機はレンタルする事にした。カウンター保守契約で費用は月額11,000円

ここ↓を探せば、もっと安い所もあるかも。
 


③固定電話

 一人での業務であれば、携帯・スマホだけで十分ですが、信用を得るには、やはり、固定電話の番号も必要。検討した結果、 ソフトバンクの電話サービスおとくライン.jp にしました。
初期費用は無し、月額基本料金2,050円。通話料金は7.9円/3分なので月に3時間電話しても500円程度。

電話期本体はAmazonでこれを購入。

シャープ デジタルコードレス電話機 子機1台付き 1.9GHz DECT準拠方式 JD-G31CL

新品価格
¥4,971から
(2016/11/3 14:37時点)


④仕事用スマートフォン

 仕事用のスマートフォン・携帯電話も欲しい。もちろん、個人のスマートフォンは持っていますが、取引先の中には深夜、休日関係なく連絡してくる人も居ます。 個人の携帯だと出てしまう事あるし、呼び出し通知があると落ち着かない。仕事用の携帯は別にして、仕事が終わった時はオフにしておこう。
 さて、私が選んだスマートフォンはワイモバイルのこれ。
データ通信量は2GBで十分。通話は多くなると思うので、「スーパーだれとでも定額(1,080円/月)」を付けて、月額3,974円


⑤FAX

 今や、ほとんど使われなくなったFAX。しかし、未だ必要な場合もある。受信出来る環境だけは整えたい。そこで選んだのは【Message+】 。 使わないので、とにかく、安い方が良い。月額720円です。


⑥レンタルサーバー

 何故、こんな物が必要かと言うと事務所名をドメインにしたメールアドレスが欲しい。さくらのレンタルサーバ を契約することにした。 初期費用1,029円、年額1,543円です。
 WEBサイトスペースもあるので時間がある時に事務所のWEBサイトを作ろう。


以上、費用は初期費用107,951円、月額18,244円、年額1,543円


【只今の費用の合計】
 初期費用:227,751円
 月額経費: 92,044円
 年額経費: 1,543円


3.業務用PCソフトを揃える

 そして、構造設計を行う上で無くてはならない構造計算プログラム、その他業務ソフト。
建築構造設計べんりねっとに『全て、フリーソフトで構造設計をする』 と言う企画があるが、構造事務所を立ち上げ、業務をするとなるとそれは難しい。

①一貫構造計算プログラム

 最も重要なソフト、一貫構造計算プログラム。今まで使っていたのは構造ソフト社のBUILD一貫。違うメーカーに乗り換えようとも思ったが、 やはり、使い慣れているのが一番と思い、BUILD一貫にする事にした。

BUILD.一貫Ⅴ:キャンペーン価格で、1,134,000円。年間プログラムメンテナンス料金として、77,760円
基礎設計関係のオプションのBUILD.GPⅢ(356,400円)、BUILD.地盤・柱状/液状化(86,400円
その他のプログラムは必要に応じて、レンタルしよう。

  

②二次部材計算プログラム

 二次部材計算プログラムも使い慣れているストラクチャー社のRC&Sチャートにした。
価格は、128,000円

③CAD

CADは、フリーのJW-CADで十分。価格はもちろん、0円

④その他、業務ソフト

 オフィスプログラムはパソコンに付いているので不要。その他、業務ソフトとして私がかかせないのが、Docu Works(価格:17,064円) 後はマカフィーのセキュリティソフト(価格:8,208円)。


以上、費用は初期費用1,807,832円、年額77,760円


【只今の費用の合計】
 初期費用:1,957,823円
 月額経費: 92,044円
 年額経費: 79,303円


構造計算プログラムが入って、一気に初期費用が増えた。

4.構造設計指針を揃える

 構造設計を行う上で必要なものとして、各種構造設計指針を揃える必要があります。数多くの指針がありますが、日本建築学会の図書館に事務所が近く、調べものはそこで出来るので必要最低限の指針のみ揃える事とします。

建築物の構造関係技術基準解説書 2015年版 (価格:8,640円)





鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 (価格:6,912円)





鉄筋コンクリート構造保有水平耐力計算規準〈案〉・同解説 (価格:5,940円)

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説 (価格:6,048円)

壁式鉄筋コンクリート造設計・計算規準・同解説 (価格:7,020円)

鋼構造設計規準 許容応力度設計法 (価格:5,184円)





鋼構造接合部設計指針 (価格:5,616円)

鋼構造座屈設計指針 (価格:5,400円)

鋼構造塑性設計指針 (価格:4,320円)

建築基礎構造設計指針 (価格:5,832円)





建築物荷重指針・同解説 (価格:7,020円)

実務から見たRC構造設計 (価格:9,180円)





実務から見た鉄骨構造設計 (価格:10,476円)

実務から見た基礎構造設計 (価格:7,128円)

〆て、88,884円
その他、年間15,000円程度は書籍代にかかるだろう。


【只今の費用の合計】
 初期費用:2,046,707円
 月額経費: 92,044円
 年額経費: 94,303円


5.各種手続きを行う

 さて、業務に必要な物は全て揃ったが、忘れてならないのは業務を行う上での各種手続き関係。構造設計事務所を個人で開業にするには以下が必要です。

①開業届け
新たに事業を開始する時には開業届けが必要です。届出を行う場所は所轄の税務所になります。
手数料は不要です。

②転入届け
事務所に郵便物を確実に届けてもらうには郵便局に転入届けを出す必要があります。
こちらも手数料は不要です。

③建築士事務所登録
ご存知の通り、業として設計を行うには建築士事務所の登録が必要です。
一級建築士事務所登録手数料は、18,500円になります。

http://www.taaf.or.jp/regist/01.html

これで構造設計事務所設立完了です。

費用は〆て、以下の通りです。

 

初期費用としては、200万円程度、月額経費10万円、年間経費10万程度となります。

 すぐに業務を開始したとしても、設計料が支払いされるのは3ヶ月後とかになると思います。これを考えると構造設計事務所を開設するには個人的な貯えは別として、400万円程度は用意しておく必要があると思います。

 まあ、構造設計事務所開設の準備で最も必要なのは、確かな構造設計技術と仕事を依頼してくれる良いクライアントを見つけておくことですね!