建築構造設計べんりねっと

構造設計の裏技


基礎地盤の設計を制す! 「各種地盤定数を“N値”から換算」
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構造設計の裏技 「旧基準で設計! 2007.06.17」
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保有耐力を制す その壱 「取合えず、....」
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保有耐力を制す その弐 「連層耐震壁を持つ建物は支点を止めろ!」
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保有耐力を制す その参 「偏心率によるFeを考慮しない。」
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保有耐力を制す その四 「重力式で地震力を算定。」
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保有耐力を制す その五 「限界層間変形角を大きくする。」
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偏心率を納める その壱 「支点の鉛直バネを考慮する。」
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偏心率を納める その弐 「スラブの床剛性を考慮する。」
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偏心率を納める その参 「45°方向から加力。」
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偏心率を納める その四 「負担重量による設計用地震力で検討。」
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剛性率を制す その壱「調和平均で剛性率を算定」
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ピロティを制す その壱 「ピロティでは無いと言い張る。」
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鉄骨柱をSTKR材にする。 「Dsを割増して検討。」
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STKR材の柱を使う方法 「すべての柱を外柱にする。」
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断面検定を制す その壱 「荷重を増やす。」
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ルート1にする 「雑壁を耐震壁にする。」
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耐震壁の開口補強 「せん断剛性低下率βを落とせ!」
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逆L型擁壁の滑動を止める!「粘着力を考慮。」
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擁壁設計の必殺技!「行政庁の擁壁標準断面で計画。」
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経済設計??? その壱 「杭反力、寄せ筋、埋込み柱脚」
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経済的な設計? 「伏図の柱梁のサイズは一回り小さく書く。」
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短スパン部材対策 「勝手にピン。」
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確認申請を通す。 その壱 「「安全上問題ない」とコメントを付ける。」
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余裕のある設計??? 「検定比が”0.99”。そんな時は...」
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柱断面サイズで迷った時は・・・ 「意匠図の柱梁サイズをチェック。」
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最終兵器

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基礎地盤の設計を制す! 【TOP】
標準貫入試験にて測定されるN値。「地盤を棒で突っつくだけで何が判る?」
地盤のマジックナンバーN値を舐めてはいけません。日本建築学会の指針でも 各種地盤定数のN値からの換算式が提示されています。

N値が判れば、地盤・杭の支持力が判る。杭の水平抵抗の検討が出来る。
・一軸圧縮強度(kN/u) qu = 12.5・N
・粘着力 (kN/u)   c = qu/2 = 6.25・N
・内部摩擦角(°)   φ = √(20・N)+15
・地盤変形係数(kN/u) E0 = 700・N

更にN値が判れば、沈下量の検討が出来る。
・体積圧縮指数(kN/u) mv = 1/(80・c) = 1/(80×6.25・N)
            mv = 1/(52・c) = 1/(52×6.25・N) :関東地区の地盤
・ヤング係数(kN/u)  Es = 2800・N :過圧密された砂
            Es = 1400・N :正規圧密された砂
・圧密降伏応力(kN/u) Pc = 1.2・qu = 1.2×12.5・N

そうなんです。土質試験や原位置試験も不要なんです!
しかし、ここまでは普通。裏技ではない。

地盤調査方法にスウェーデン式サウンディング試験と言う調査方法があります。Wsw(kN) とNsw(回)と言う値が測定でき、この値からの下記の換算式が提示されています。
・N = 2・Wsw + 0.067・Nsw :砂質土
・N = 3・Wsw + 0.050・Nsw :粘性土
・qu = 45・Wsw + 0.75・Nsw(kN/u)
・qa = 3・Wsw + 0.60・Nsw(kN/u)

この式を逆算するとN値から、Wsw、Nswを導き出す事が出来ます。するとどうなるか。

N値が小さく、基礎幅が小さい場合の砂質地盤の支持力。苦労していませんか?

粘性土地盤でN値=5の一軸圧縮強度quは、62.5kN/u。
スウェーデン式サウンディングの値に換算するとWsw=1.0kN/u、Nsw=40(回)
そして、quは、45×1.0+0.75×40 = 75.0kN/u

あら不思議!なんと、20%増し!

出展:日本建築学会「建築基礎構造設計指針」、「小規模建築物基礎設計指針」、「小規模建築物を対象とした地盤・基礎
旧基準で設計 【TOP】
 いよいよ、改正建築基準法が施行されます。新法では検討方法・書式まで詳細に定められ、このページで 紹介している裏技が使えなくなるのではとお嘆きの方へ。

 建築構造設計、建築工学に森羅万象の法則なんてありません。そして、全ての建物・構造形式に 同じ基準を当てはめるのは不可能であります。

 今までにも何度も構造設計基準が改定されて来ましたが、過去の基準にもそれなりの根拠があったはず。 そして、それにあてはまる構造形式もきっとあると思います。困った時には過去の学会指針等を読んでみる のも一つの方法だと思います。建築学会の論文集なんかも役に立つかも

 建物が安全であれば確認申請、構造計算適合判定もきっとクリア出来る!!

行政庁の擁壁標準断面で計画 【TOP】
 シンプルな構造形式の割に以外と悩まされ、苦労するのが擁壁。土圧係数、摩擦係数等の設計 条件をどのように設定したら良いのか?滑動が止まらない。・・・

 更に工作物の申請を出すと行政庁からは、根拠の無い指導のオンパレード。
「うちの市ではこの内部摩擦角は認めない。摩擦係数はこの値にしろ。」
(土質の係数は地盤調査の結果によるのでは無いのか?市町村で地盤の条件が 決まるのか!)

 そんな時は行政庁が出している擁壁の標準断面で申請をしてみよう。関東では横浜市や川崎市 などが擁壁の断面図集を出している。この断面で申請をすれば、計算書は必要無し。ノーチェック で許可がおりる。地盤調査をしていなくても設計条件を満足しているかも関係無しで許可が降りて しまう事が多い。

 逆に言えば標準断面で許可を受けた擁壁は危険な擁壁が多い。構造の知識が無い人でも計画して 許可を受ける事が出来る。

すべての柱を外柱にする 【TOP】
 『冷間成型角形鋼管設計・施工マニュアル』によると、柱をSTKR材とする場合は、 最下階の柱脚と最上階柱頭を除く全ての節点において、柱梁耐力比を1.5以上とする 必要があります。

 すでに皆さんご承知かも知れませんが、私は次の方法でこの問題をクリアしています。
 すなわち、柱はすべて「外柱にしてしまえ」ということです。

 1スパンなら、そのまま。2スパンなら、どちらか片方のスパンの大梁内端をピンに にする。3スパンなら、真ん中のスパンを両端ピンの小梁にする。多スパンなら、1ス パンおきに小梁にする。すなわち、各柱に接合する梁を1本ずつにして、終局曲げモー メントの量を減らすのです。
 そのようにすると、X方向とY方向の大梁剛接部の数が近づいてバランスがよくなり、 梁成がそろって、ダイアフラムが一致するというメリットも生じます。鉄骨量も減りま す。
 裏技というより、むしろ合理的な正攻法だと、私は思っています。

限界層間変形角を大きくする 【TOP】
 保有耐力検討時の限界層間変形角は通常、鉄骨造で1/50、RC造で1/100程度で検討を すると思うが、鉄骨造の建物等では保有耐力が層間変形角で決まり、保有耐力が出ない場合がある。

 そんな時は保有耐力が出るまで限界層間変形角を大きくしてしまおう。
 日本建築センター「限界耐力計算法の計算例とその解説」では、P−Δ効果による等価層せん断力 の保有水平耐力に対する比率が10%を超える場合にはP−Δ効果を解析に反映させる必要があると なっているので10%を超えない程度まで押し切ってしまおう。

荷重を増やす 【TOP】
 断面検定結果がNG。剛性を調整したり、荷重をもう少し減らせないかと見直してみても いくらも変わらない。そんな時は逆に荷重を増やしてしまおう。

 ねじれの影響である部位がNGとなってしまう場合は、剛心方向へ荷重を追加し、ねじれを 少なくすることでその部位をOKと出来る場合がある。また、柱断面や柱脚に関しては軸力が 大きくなる事により、断面的に有利になる事がある。(危険側とも言うが。)

Dsを割増して検討 【TOP】
 『冷間成型角形鋼管設計・施工マニュアル』によると柱をSTKR材と する場合は、最下階の柱脚と最上階柱頭を除く全ての節点において柱梁 耐力比を1.5以上とする必要があります。

 この規定ではある程度スパンが大きな建物では柱をSTKR材とするのは 不可能とお考えのあなたに。

 『冷間成型角形鋼管設計・施工マニュアル』質問と回答の中にDsを0.45 で保有水平耐力を検討し、STKR材が塑性化しなければ柱梁耐力比の規定 を必ずしも守らなくても良いとあります。

 この他にもセンターの指針の“質問と回答”には結構面白い、役に立つ方法 が書いてありますので一読を。

負担重量による設計用地震力で検討 【TOP】
 特殊な形状であるために三次元の立体応力解析プログラム等での検討が必要な建物の 設計をする時に設計ルートをどうするか困る時がある。
 保有水平耐力プログラムも使えない、偏心率を算定するのも手間である。

 そんな時は各フレームの負担する重量に対する地震力を各フレー ムの設計用負担水平力として検討しよう。設計ルートはルート2と する。偏心率については「各フレームが負担重量分の地震力を負担 するため、重心と剛心が一致し、偏心=0である。」とする。

雑壁を耐震壁にする 【TOP】
 RC造でルート1とするのは壁が少し足りない。かといって、壁を増やしたり、 開口を小さくする事は意匠的に許されない。

 そんな時は雑壁の際に間柱を設けて、この壁を耐震壁と評価してしまおう。 RC造でルート1とする場合の必要壁柱量は、言うまでも無く、
Σ25Aw(耐震壁)+Σ7Ac(柱)+Σ7Aw’(雑壁)≧ZWAiである。 耐震壁の壁量は雑壁の3.5倍程度有利である。

ルート1とすれば、ピロティも偏心率・剛性率の問題も解決!。

重力式で地震力を算定 【TOP】
 保有耐力が足りない時、普通は断面・配筋を上げるが逆に地震力 Qudを落としてしまおう。

 この方法はセンター指針にも載っているが、建物の固有周期Tが 地盤周期Tcより大きければ振動特性係数Rtは1.0より小さく なる。建物の固有周期Tは、通常は0.03h又は0.02hで計 算するが、このTを重力式にて算定をしてしまおう。

 中高層の比較的に変形の大きな建物の場合にはこの方法で地震力 を数%落とす事が可能な場合がある。

45°方向から加力 【TOP】
 言うまでも無く、剛心と重心との偏心距離が大きくなると偏心率は 大きくなる。この剛心と重心を結んだ方向が主軸方向となるが、この 主軸方向に加力すれば、偏心距離は“0”になる。つまり、偏心率=0。 逆に、主軸と直交方向に加力すると偏心率は最大になる。

 X方向もしくはY方向のどちらかの偏心率がNGとなっている場合、 この事を逆に利用し、この主軸に対して45°方向から加力すれば偏 心率をX方向とY方向に分配し、XY両方向共にOKとする事が出来る 場合がある。

 そんなにうまくいかないかな。でも「加力方向の根拠は?」と聞かれたら。 XY方向がはっきりしないような複雑な建物には使えるかも。

「安全上問題ない」とコメントを付ける 【TOP】
 建築構造に関する検討は、全てが計算で説明出来ると言うものでは無い。 今までの多くの人の経験上、特に計算を行わなくても問題ないとされている 事も多い。

 しかし、稀に確認申請の際にこのような部分に対して、「計算せよ。」と の指摘をされ、困ってしまう事がある。そんな事を防ぐには、計算書に
「○○に関しては、工学的に判断した場合、安全上支障は無い。」
とコメントを書いておくのだ。

 以前、行政の担当者と世間話をした時の事である。建物に異常が起きた場 合、建築主に行政も責任を求められる事があるそうだ。このような場合に責 任を回避する方法として、設計者に「問題ない。」とコメントを設計図書に 書かせる事があるそうだ。

 もちろん、建物に異常が起きた場合の設計上の責任は、設計者にあるのは 言うまでもない。

勝手にピン 【TOP】
 RC造の建物で意匠の計画上、スパンが極端に短くなってしまう箇所がでる場合 がある。その部分の梁には応力が集中し、せん断等がNGとなってしまう。
 そんな時はその梁を“両端ピン接合の小梁”として応力解析を行おう。そして、 その事を指摘されたら、「この部分には期待しなくても他の部分で水平力に抵抗す る構造形式としています。」と説明しよう。断面を小さくしたい間柱にも同じ技が 使える。

 設計を始めた当時は、このような事をしている先輩に対して、「RC造で何でピ ンなのか。」と抵抗したものだが、RC間柱をピンとして設計した事は私にも身に 覚えがある。

「部材があれば剛性に応じた水平力を負担する。地震は大梁か小梁か区別してくれ ない。」とか言われてしまう場合もあるので注意。

偏心率によるFeを考慮しない 【TOP】
 偏心率によるFeは、建物がねじれる事により、ある部分に地震力が集中して しまう事に対する割増・ペナルティであります。しかし、立体弾塑性解析で保有 水平耐力の検討を行える解析プログラムで検討を行えば、ねじれを考慮して検討 を行う事になるので偏心率による割増Feを考慮する必要はない。

 しかし、この方法では現在の確認申請を通すのはかなり困難であると思われま す。よって、他の技との合せ技で使用したい。

調和平均で剛性率を算定 【TOP】
 現行の剛性率の算定方法は、当該階の層間変形角の逆数を各層の層間変形角の逆数 の平均(相加平均)で除した値でありますが、この方法だとある層の剛性が極端に大 きい場合、他の全ての層の剛性率が小さくなってしまう。

 建築学会の「保有耐力と変形性能」ではこのような場合、各層の層間変形角の平均 (調和平均)に対する当該階の層間変形角の比の逆数を剛性率とする事を推奨している。

 ピロティ構造にも有利!

粘着力を考慮 【TOP】
 逆L型擁壁の設計で一番きついのは滑動に対しての検討であります。宅造法では、 粘性土の摩擦係数μは、0.3となっていますが、これでは底版をいくら長くしても 安全率1.5を確保するのは難しい。

 建築学会基礎指針にも載っているが、そんな時は、底版との粘着力を摩擦抵抗とし てしまおう。摩擦係数μはtanφで求められますが、これはクーロンのせん断抵抗式  s=c+σ・tanφによるものであります。
土質試験を実施している場合は粘着力と内部摩擦角による抵抗をダブルで考慮してし まおう。

せん断剛性低下率βを落とせ! 【TOP】
 開口部廻りはRC造においてコンクリートの充填が困難な場所だ。そんな所に過剰 な開口補強筋を入れると更に打設が困難になる。

 判っているけど、鉄筋を増やさないとOKとならないので鉄筋を多くしてしまう。
 そんな時は、開口補強設計時はその耐震壁のせん断剛性低下率βを落して、検討し よう。建築センターの指針においても補強筋量を施工上可能な程度にとどめ、許容耐 力を低めに評価して良い事になっている。その分、他のフレームに水平力が流れる事 になるが。
杭反力、寄せ筋、埋込み柱脚 【TOP】
  1. 杭反力の検討を行う際は、基礎・地中梁の重量を抜いた軸力で設計して しまおう。基礎・地中梁の重量は直接地盤に流れてしまうものとして。

  2. RC柱断面算定を行う際に加力(検討)方向と直交方向の鉄筋を2段筋 (寄せ筋)として断面算定に算入してしまおう。

  3. BOX柱による鉄骨造で埋込み柱脚とした場合、地中梁主筋は柱を避けて 配筋する必要があるので配筋出来る本数が限られてしまい、断面が大きく なり過ぎてしまう。そんな時はBOX柱の中心に鉄筋を貫通させてもう1 本配筋してしまおう。

伏図の柱梁のサイズは一回り小さく書く 【TOP】
 伏図の柱梁のサイズを実際の縮尺より小さく書いておくと経済的な設計をしている ように見え、苦情が少なくなる。
 また、この技は逆の方法も使える。実際より断面サイズを大きく書いておくことで 頑丈な建物と思わせる事も出来る。

支点の鉛直バネを考慮する 【TOP】
 建物のある部分に水平力が集中し、剛性のバランスが悪い建物においては杭または 地盤の鉛直バネを入力しよう。それも柔らかめに。
 これで水平力が集中する部分は鉛直変位が大きくなり、水平力が他に逃げ、バランス が良くなる。変位は大きくなるので注意。

スラブの床剛性を考慮する 【TOP】
 建物のある部分が剛性が大きくバランスの悪い建物は、床ブレースを入力し、水平力 が伝わりにくいようにしよう。RCスラブの場合は、ブレース置換を行う。

意匠図の柱梁サイズをチェック 【TOP】
 柱梁の断面サイズをいくつにしようか迷う時がある。計算上ではそれなりの余裕が あるのだが、今一つ自信が無い。大きくし過ぎても文句が来る。
 そんな時は、意匠図の柱梁の寸法をスケールで当りチェックしよう。意匠屋さんが、 平面図で書く断面サイズの寸法はこの大きさなら意匠が納まる、たぶんこのくらいだ ろうとと言うようなサイズで書く。よって、そのサイズまでなら許される事が多い。
(仕上げ厚さに注意)

ピロティでは無いと言い張る 【TOP】
 センター指針のピロティに関する規定は、厳し過ぎるとの指摘があります。中でも 厳しいのは“ピロティ階での崩壊禁止”でありますが、まともにこの規定通り設計し ようとしたら勝ち目はありません。つまり、ピロティ対策とは『ピロティでは無い』 と言い張る事です。

 1階で耐震壁が1枚も無い状態では無理ですが、数枚の耐震壁があるようだったら、 1階の剛性率が0.6以下にならないようにするのです。出来れば1.0以上に。

 そして、「ピロティ構造とは、上部階に比べ、1階の耐震壁が少なくなり、極端に 剛性が小さくなる構造形式である。この建物は1階の剛性率は0.6以上であり、極 端に剛性が低い階では無いのでピロティ構造ではない。(よって、1階で崩壊しても かまわない。)」と言い張る。

 ピロティ柱の設計やスラブ剛性をあげる事はやっておいた方が良いと思いますが、 ピロティでは無いと言っておいて、一部ピロティの規定に従った設計をしているのを いやがる担当も居るので注意。

【1階の剛性を上げる。】
 ・1階の耐震壁の壁厚を上げる。
 ・ある程度の長さがある袖壁には端部に間柱を設けて、耐震壁にしてしまう。
【上部階の剛性を下げる。】
 ・上部階の耐震壁を少なくする。
 ・上部階の耐震壁の壁厚を薄くする。(壁厚に関して意匠からの要求がある
  場合は、増し打ちと言う事で処理。)


取合えず、.. 【TOP】
取合えず、以下の事を行おう。
  • RC柱梁Qu算定式の係数を0.068にする。
    この係数は、0.053、0.068のどちらでもかまわない事になっているので大きい方に する。せん断設計において有利。
  • 外力分布をAi分布から、Qun分布にする。
    ある層がDs、Fesの問題で保有水平耐力を満足しないような建物には効果的。
  • スラブ筋を考慮する。
    スラブ筋を考慮し、梁の曲げ耐力をアップさせる。せん断設計において不利になる 場合があるので注意。スラブの端部で梁に沿い、主筋と同径の太い鉄筋を入れてしま う手もある。

  • 連層耐震壁を持つ建物は支点を止めろ! 【TOP】
     建築センターの指針によると連層耐震壁を持つマンション等の保有耐力を検討する場合 は浮上りが生じないものとして、検討をして良い事になっている。

     各階の設計用地震層せん断力を定めることに主眼をおいて設定されたAi分布による 転倒モーメントは、実際の転倒モーメントより大きく、転倒は起さないと言うのが理由 だそうだ。でも、本当に倒れないように注意。

     連層耐震壁が無い建物でも支点の浮上り耐力には杭の摩擦等も加えて、上部架構が十 分な耐力を発揮できるように浮上らないようにしよう。

    最終兵器  【TOP】
      何に使うかは、おまかせします。これを使うには当然、計算内容を隅から隅まで 熟知している必要があるのは言うまでもありません。
    クリック


    余裕ある設計 【TOP】
     検定比が”0.99”。いかにも余裕の無い設計に見える。そんな時は、検定比 を書くをやめて、許容応力と設計応力を比べる書き方にしよう。

    例)許容曲げモーメント Ma=400kN・m
      設計用曲げモーメント  Md=396kN・m の場合

       検定比表示で 396/400=0.99<1.0 ∴OK と書くとあまり
      にも余裕の無い設計に見える。そんな時は
      Md=400kN・m>396kN・m ∴OKと書こう。一見どのくらいの余
      裕か判りづらくなる。
      Md=400000N・m>396000N・m ∴OK とするともっと判り
      づらくなる。


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     このページはインチキを教えようと言うものではありません。
     構造設計の目的は、建物を安全に経済的に設計する事です。基準法や指針
    を満足させる事ではありません。ましてやプログラム解析の結果をOKとす
    る出す事でもありません。
     とても完全な物とは言えないような基準法、指針、プログラムに無理やり
    合わせようとして逆に悪い建物になってしまうぐらいなら、確認申請を通す
    ためにこのような事をした方がずっと良いと思います。(もちろん、十分に
    安全性を確認した上で。)
     別に基準法や指針が全て悪いと言っている訳ではありませんが、全ての建
    物、構造形式にに対して同じ規準で設計を行うには無理があると思います。
    法律や基準をそのまま適用するのでは無く、その背景にある意味、思想を考
    えて、使う事が必要であると思います。
     そして、重要なのは自分で良いと思うものを設計し、それに対して責任を
    持つ事だと思います。逆に基準法を満足している、プログラム解析でOKが
    出ている、だから事故が起きても自分のせいでは無いと言うような人は構造
    設計をする資格が無いと思います。