・4月16日、施行日が令和7年4月1日と正式に発表されました。(公布日は4月19日)
・4月19日、関連施行令が公布がされました。
・4月18日、関連告示のパブリックコメントが出されました。
・5月22日、関連施行規則のパブリックコメントが出されました。
・5月31日、関連告示公布されました。
・9月10日、設計等実務講習会が開催されます。
・10月18日、2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書の発行の情報が開示されました。
これで2025年建築基準法改正の全容がほぼわかりました。
令和4年6月13日、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」の関連法案として、4号特例改正(縮小)法案が可決、17日に公布されました。
この法改正は設計者、建築業界、社会に対して大きな影響を与えます。平成19年、建築基準法改正により建築行政が停滞したことから起きた国交省不況の再来となる可能性もなくはありません。設計者、建築関係者は施行の向け、十分な準備を行う必要があります。
『建築構造設計べんりねっと』では、この4号特例改正についての情報をまとめ、また、情報が増えしだい随時、本ページを更新し、施行までを追いかけていきます。
まずは4号特例について、解説します。
建築基準法6条1項4号で規定する建築物で、2階建て以下・延べ面積500m2以下・高さ13m以下・軒の高さ9m以下の木造建築物は「4号建築物」と呼ばれています。その多くは木造戸建て住宅です。4号建築物に対し、建築士が設計したものであれば、建築基準法6条の4第3号によって、建築確認の審査を省略することができる制度が4号特例です。
共同住宅(アパート)、病院、学校などは用途が特殊建築物であるため、「4号建築物」には該当せず、木造2階建て、500㎡以下でも建築確認での構造審査が行われます。
建築基準法20条では構造及び規模に応じた構造計算方法を定めており、木造の場合は2階以下かつ延べ面積500㎡以下であれば構造計算は義務付けられておらず、仕様規定の確認(壁量計算など)となっています。
構造計算が行われていないことを問題視する人も居ますが、4号特例とは“構造計算をする、しない”ではなく、“建築確認で構造の審査があるか、ないか”です。
この4号特例ですが、建築確認での構造審査がないため、不適切な設計・工事監理が行われ、構造強度不足が明らかになる事案が断続的に発生する原因ともなっています。
平成18年(2006年)アーネストワン、一建設において発覚した住宅における構造強度不足は約1,800棟にもなる事態となっています。他にも、国交省のネガティブ情報等検索サイトによる建築士処分事情報で公表されているように4号建築物の構造強度不足の事例が多くあります。
4号特例については多くの批判もありましたが、業務量が増える事に対する建築業界の反対もあり、廃止されてることなく続いていました。
4号特例については過去に廃止の動きがありましたが実現しませんでした。それが以下の経緯で急遽、成立となりました。
4号特例改正に関する建築基準制度部会では小規模建築物の構造設計に対して、以下の意見が出ました。
4号特例を起因とする不適切な設計、構造耐力不足については従来から指摘されてきたことです。今まで建築業界からの反対もあり、改正には至りませんでしたが急遽、4号特例改正(規制強化)との流れになりました。
それは「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」によるものです。この法案には建築確認での省エネ基準適合に関する審査を行うことが含まれています。「省エネ基準の審査があるなら、構造審査もあるべき。バランスが取れない。」と言うのが4号特例改正の理由です。(日経アーキテクチュア誌より)
“脱炭素”を理由にされると建築業界も反対は出来ません。
令和4年6月17日に公布された改正建築基準法による改正前(現行)と改正後の条文は以下になります。
改正前 | 改正後 |
(建築物の建築等に関する申請及び確認) 法第六条:建築確認が必要な建築物 一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの 二 木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものの 三 木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるもの 四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域における建築物 (建築物の建築に関する確認の特例) 法第六条の四:建築確認で審査省略の対象 一 第六十八条の十第一項の認定を受けた型式(認定型式)に適合する建築材料を用いる建築物 二 認定型式に適合する建築物の部分を有する建築物 三 第六条第一項第四号に掲げる建築物で建築士の設計に係るもの (構造耐力) 法第二十条:建築物の構造計算方法 一 高さが60mを超える建築物 ⇒時刻歴応答解析 二 高さが60m以下の建築物のうち、第六条第一項第二号に掲げる建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものに限る)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物、高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物、その他これらの建築物に準ずるものとして政令(令第三十六条の二)で定める建築物に限る。) ⇒保有耐力計算、限界耐力計算又はルート2 三 高さが60m以下の建築物のうち、第六条第一項第二号又は第三号に掲げる建築物 ⇒許容応力度計算(ルート1) 四 前三号に掲げる建築物以外の建築物 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。 ⇒仕様規定の確認(壁量計算等) |
(建築物の建築等に関する申請及び確認) 法第六条:建築確認が必要な建築物 一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの 二 前号に掲げる建築物を除くほか、2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超える建築物 三 前二号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域における建築物 (建築物の建築に関する確認の特例) 法第六条の四:建築確認で審査省略の対象 一 第六十八条の十第一項の認定を受けた型式(認定型式)に適合する建築材料を用いる建築物 二 認定型式に適合する建築物の部分を有する建築物 三 第六条第一項第三号に掲げる建築物で建築士の設計に係るもの (構造耐力) 法第二十条:建築物の構造計算方法 一 高さが60mを超える建築物 ⇒時刻歴応答解析 二 高さが60m以下の建築物のうち、木造の建築物(地階を除く階数が4以上であるもの又は高さが16mを超えるもの限る)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物、高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築 物、その他これらの建築物に準ずるものとして政令(令第三十六条の二)で定める建築物に限る。) ⇒保有耐力計算、限界耐力計算又はルート2 三 高さが60m以下の建築物のうち、第六条第一項第一号又は二号又に掲げる建築物(木造の建築物にあっては、地階を除く階数が3以上であるもの又は延べ面積が300㎡を超えるものに限る。) ⇒許容応力度計算(ルート1) 四 前三号に掲げる建築物以外の建築物 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。 ⇒仕様規定の確認(壁量計算等) |
建築確認の特例(4号特例)は法第六条および六条の四で規定されています。木造に関しては、「特殊建築物で200㎡超え」、「3階以上又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの」に該当しなければ審査省略特例の対象でしたが、構造種別に係わらず、「2階建て以上又は延べ面積が200㎡を超えるもの」が審査省略特例の対象から外れることとなりました。
尚、従来の4号建築物は3号に変わりました。木造の場合は平屋建て、延べ面積200㎡以下が引き続き、審査省略特例の対象となります。(特殊建築物以外)今後は3号特例と呼ばれる事となります。
法第二十条による建築物の構造計算方法の規定も改定されています。二号では保有耐力計算、限界耐力計算又はルート2による対応が必要な建築物を規定していますが、高さは16mまでがルート1で対応できる事となりました。これは緩和(合理化)の内容です。尚、建築士法も改正され、二級建築士で対応できる事となります。
三号は許容応力度計算(ルート1)による対応が必要な建築物を規定していますが、現行の「3階以上又は延べ面積が500㎡を超えるもの」から「3階以上又は延べ面積が300㎡を超えるものは構造計算が必要」と改定されました。
以上の改正をまとめると以下の表となります。
必要壁量の規定が(強化)されます。 令和6年4月19日に公布された施行令は以下の通りとなっています。
改正前の施行令にあった階および“重い屋根”、“軽い屋根”による必要壁率の表は削除されました。「地震及び風圧に対して構造耐力上安全なものとなるように国土交通大臣が定める基準」は告示にて定められることとなり、告示のパブリックコメントでは建物の実状に応じた地震力を計算し、必要壁率を算定する方法が示されています。構造計算を行う場合の壁量検討と同じ方法となります。
尚、壁量規定については以下の経緯で最終、上記の方法となりました。
令和4年10月28日に出された施行令第四十六条の改定案では以下の3通りの検討方法が示されました。
方法①:個々の建築物の荷重の実態に応じて現行規定より精緻に検証する方法
方法②:現行規定と同様に簡易に確認する方法
方法③:構造計算により安全性を確認する方法
方法①とは建物の実状に応じた地震力を算定し、必要壁率を求める方法です。方法③は構造計算によるため、壁量検討については基本、方法①と同じです。尚、この場合は壁量の仕様規定は除外されます。
方法②は現行規定と同様に簡易に確認する方法となり、下表の必要壁率が示されました。これによると一般地域における通常の木造住宅の場合、2階が2.07倍、1階は1.83倍の壁量となり、プランにも大きく影響する事になります。
令和5年11月1日より行われました建築基準法 改正法制度説明会、12月11日のパブリックコメントでは「仕様の実況に応じた必要壁量の算定方法」とされました。つまり、個々の建築物の荷重の実態に応じて、地震力を算定し、必要壁率を求める方法となります。
これについては日本住宅・木材技術センターより、設計支援ツールが配布されます。建築構造設計べんりねっとでも汎用性が高く、より正確に計算できる必要壁率検討プログラムを開示しています。
また、この方法に準ずるものとして屋根、外壁の仕様に準じた早見表(案)も公開されています。
壁量計算には準耐力壁(腰壁、垂れ壁)を算入することが出来ます。尚、構造計算を行う場合は施行令46条による壁量の仕様規定は除外されます。
軸組壁工法(在来工法)における柱の小径規定も改正(強化)が行われます。令和6年4月19日に公布された施行令は以下の通りとなっています。
改正前の施行令にあった横架材間距離と柱の小径の比を規定した表は削除され、こちらも仕様の実況に応じた柱の小径の算定方法となり、柱の座屈計算が基本となります。これについても詳細は告示によることになります。
尚、日本住宅・木材技術センターより、設計支援ツールが配布されますが、意匠設計者が対応するには難しいものとなっています。
その他、令和6年4月19日に公布された施行令は以下が改定されています。
施行令第36条の2はルート2以上としなければならない建物を規定する条文ですが、木造においては高さ13m又は軒高9mから、高さ16mに緩和されました。これに合わせ、鉄骨造においても緩和が行われました。
施行令第45条では赤文字の部分が追加されています。筋交いの接合については、より詳細に規定されました。
施行令第67条ではボルト接合とできる建物として、赤文字の部分が追加されています。施行令第36条2項一号の規定により、保有耐力計算(ルート3)とする場合は除外できましたが、この方法によらず、ボルト接合と出来る条件が告示で規定されることになります。
8月7日に開催された「改正建築物省エネ法・建築基準法の円滑施行に関する連絡会議」による確認審査対象の見直しに伴う提出図書等の合理化案を受け、
令和5年11月1日からの建築基準法 改正法制度説明会では2階建300㎡以下、平屋建て200~300㎡の木造建物(審査対象、構造計算不要)においては『各階床伏図等の提出を求めない代わりに、必要事項を仕様書に記載する形をとる』となっています。
仕様書(案)では「地盤調査報告書は添付省略」となっており、地盤および地盤改良の計算書は不要と考えられます。
令和4年7月22日、改正建築物省エネ法及び改正建築基準法等に関する説明動画(第1弾)
令和5年11月1日、建築基準法 改正法制度説明会動画(第2弾)
説明資料
申請・審査マニュアル
申請・審査マニュアル(ダイジェスト版)
令和6年4月19日付けの政令により、施行日は令和7年4月1日と正式に決定しました。
尚、4月18日に出された関連告示のパブリックコメントでは、壁量に関する基準および柱の小径基準の見直しについては当該基準により難いと認められる場合については
令和8年3月31日までは現行の基準によることができるとの経過措置が出されています。当該基準により難いと認められる場合の例として、改正後の基準によることとするための設計の変更に時間を要することが
挙げられていますが、認めらない場合があるのでしょうか。
以下については法施行までの経緯の記録として残しておきます。
問題の施行日ですが、「3年以内を期限とし政令で定められる」となっており、具体的な施行日は決定していませんが、10月31日に国交省から出されましたパンフレットでは施行日は2025年(令和7年)4月予定と記載されました。施行令の公布については2023年(令和5年)秋頃予定と出されましたが、
令和6年1月現在でも公布されておらず、法整備が遅れています。
令和5年12月11日に国土交通省より、壁量等の基準の見直し(案)のパブリックコメントでは「新基準の円滑施行の観点から1年程度の間、現行の基準での検証も可能とする経過措置を設けることを検討している。」との記載もあり、法施行の緩和も出される可能性があります。
過去の建築基準法改正を見ると公布から施行までは最大でも2年です。平成の大改正と言われた平成10年の建築基準法も公布から施行までは2年でした。施行が3年後とするとそれだけ大きな影響を与える法改正であると言うことです。
令和4年11月25日には改正建築物省エネ法・建築基準法の円滑施行に向け官民一体で周知に取り組むことを目的とした「改正建築物省エネ法・建築基準法の円滑施行に関する連絡会議」が開催されました。
今後の発表に注目です。
過去、4号特例改正が見送られたのは設計者、建築確認審査担当者の業務が増えることで建築行政が停滞することの懸念からでした。今回の4号特例改正はどのような影響を与えるのでしょうか。
以下は国土交通省による木造に関する統計資料です。
確認申請交付件数における1号~3号の中には木造特殊建築物で2階建て、500㎡以下(構造計算不要)も含まれますが、確認申請で構造図一式が必要になるため、実際は構造計算を行っているのが多いと考えられます。上記データより、木造で現状、構造設計者が関与している割合は11.7%、53,000件です。改正後に増えるのは最大で3.7%の約17,000件であり、比率としては業務量が32%増です。
構造設計者で木造と非木造の両方をこなす設計者は少数であり、木造専門の構造設計者がこなしていますので、法改正による木造構造設計対応32%増は現状の体制では対応がやや困難です。
では非木造の構造設計者が木造の構造設計を行うようなるかと言うと期待も出来ません。木造建築物は規模が小さく、設計料も高くはありません。また、注文住宅では変更が多いため、構造設計者にとっては仕事として効率が良くないためです。特に法改正直後は混乱が予想され、このような設計を請けても、納期を催促される連絡ばかりになることも敬遠される要因になります。
もっと大きな影響を与えるのは法改正後に建築確認での構造審査対象となる2階建て又は200㎡を超えの建物です。この数は77.3%、約357,000件となります。令和2年3月の建築士法改正(建築士事務所の図書保存の見直し)により、確認申請に必要な構造図書は全て揃っている事になっていますが、不完全なものが多いのが実状でしょう。
この規模の建物を構造設計者が対応する余力はなく、意匠設計者による対応となります。しかし、意匠設計者は同時に省エネ基準適合審査対応の負担が増えるため、増える業務の比は構造設計者以上です。
特に省エネ基準適合対応は国交省によるアンケート調査では半数以上の設計者が現在は検討が出来ないとなっています。国会審議でもこの件が多く取り上げられた事項であり、大きな負担です。
このように木造建築物に係わる設計者に大きな負担が増えることになります。設計事務所であれば、出来る分しか請けなければ良いですが、工務店や住宅メーカーの設計者はそうはいきません。社内の各部署から多くのプレッシャーがかかる状態になるでしょう。
この法改正に対し、施行までに準備をしておけば良いのですが、残念ながら多くの設計者は直面するまで動きません。法施行直前は改正後の準備よりも駆け込みの申請に追われることになるためです。
簡易な方法で基準法上の構造計算の代わりになる大臣認定が作られる可能性もありますが、様々な仕様、形態の対応が出来るものは難しく、おそらく使い物にはならないでしょう。大きな混乱を起こした先の基準法改正でも確認申請の円滑化を目的として、JSSC低層ビルシステム認定なるものが出されましたが、ほぼ活用されることはありませんでした。
確認審査機関への影響も大きなものとなります。国交省の資料では確認審査体制は問題ないとなっていますが、法改正を提案する側として、確認審査体制が出来ていないとは言えない。これをそのまま受け取ることは出来ません。
確認審査機関は施行にあたり、設計者以上に研修などの準備を行うでしょう。しかし、問題は申請者側です。体裁の整っていない申請図書が増えることで確認許可の停滞が起こることも考えられます。また、法改正に伴い、政令や技術的基準を定めた告示などが制定されますが、施行までに十分な準備期間を確保できるタイミングで出されるかもポイントになります。
平成19年の建築基準法改正を発端とした建築行政の停滞は回復するのに3年程度が掛かっています。この時に影響を受けたのは構造設計のみでしたが、今回の法改正は設計者の大半を占める意匠設計者が影響されます。おそらく、正常化されるのには同じくらいの期間(3年程度)が必要になるのではないでしょうか。
大手ハウスメーカーは型式適合認定や設計システムが充実しており、影響は少ないでしよう。また、全棟構造計算などを謳っているメーカーも問題はありません。最も影響が大きいのは注文住宅を中心に対応している中小ハウスメーカーです。
また、設計、建築確認対応の問題だけでなく、法改正により住宅価格が上がることの影響もあります。
施行前には駆け込みでの契約、建築が増えることでしょう。そして、法改正後は反動で売上が激減することでしょう。ここで注意しないとならないのほ法施行後にはその建物は既存不適格となり、資産価値が下がってしまうことです。
その次は設計者の取り上いが起こります。しかし、この段階で動いても既に遅いのです。いち早く、大臣認定の取得などに動くことが得策でしょう。
この建築基準法改正は構造設計者にとって、どう影響するのでしょうか、また、どう動くべきでしょうか。
間違いなく、木造構造設計に関する業務は増えます。現状の4号規模の建物では構造設計者は係わっていませんが、このような依頼も増えるでしょう。
現状、木造住宅に携わっている構造設計者は構造設計業務の安売りをしないことです。おそらく、多くの問合せ、依頼が来ると思いますが、新規の取引先に対しては強気に構造設計料を提示しましょう。物価高が進む中、構造設計料(収入)を上げるチャンスです。
木造構造設計の構造設計料の相場は上がるになりますが、現状、木造構造設計に携わっていない構造設計者は手を出さない方が良いでしょう。
そもそも、木造構造設計は設計料と業務量を考えると効率が良いものではありません。物価高、原材料高が進行する現状、住宅メーカーも簡単には高い設計料を出しません。
また、法改正直後は建築行政の混乱が予想されます。確実に増えるのはクライアントからの「早くしてくれ。」との督促の電話ばかりとなるでしょう。
施行が2025年のため、住宅メーカーなどはまだ、動いていませんが、問題意識の高い確認検査機関は既に構造技術者の確保に動いています。当然、給与ベースも上がっています。
施行が近くなると現実に気付く住宅メーカーも動き出します。転職による収入アップを考えるとここ1、2年がチャンスです。