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「剛床仮定」とは、「床が水平に移動・回転してもその形状は変化しないと仮定する」ことですが、厳密には完全な剛というのはあり得ないので、あくまで相対的なものであり、垂直架構の水平剛性との関係になります。
垂直架構は建物全体に配置されていますが、それ自身あるいはその中に含まれる耐震要素(壁・ブレース)は均等ではなく、それらが全てパラメータになるので、「剛床仮定」証明の計算式は、実際には設定が困難ではないでしょうか。
あえて数学的な厳密さを求めるなら、全部材(梁・柱・壁・床・プレース)をモデル化した立体FEM解析が有力ですが、普通の建物でそこまでするのは現実的ではないので、実際はたとえば喰えないラーメン屋さんがお書きになっているような方法で確認しているのが現状だと思います。
私は、RCスラブでも鉄骨ブレースでも、一応「剛床仮定」が成立するものとして扱います。しかし平面形状や床開口によって「剛床仮定」に疑問がある場合は、ゾーニングして複数の剛床に分離します。あいまいな場合には、全体を一つの剛床とした場合と、複数の剛床にした場合の両方でチェックすることもあります。数学的な厳密さはあきらめて、実際的な安全性を採るようにしています。
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