平成28年10月公開 令和2年2月02日更新
独立して構造設計事務所を設立するには何が必要?資金はいくら必要?
独立を考えている構造設計事務所勤務の知り合いと事務所設立までに必要な事を考えてみました。ゆくゆくは規模を大きくしたいと考えていますが、まずは一人で業務を行います。
さて、まずは事務所を借りたいと考えています。これから行う各種登録や手続きに所在地は必要です。経費的には自宅で仕事をする選択肢もありますが、公私の区別を付けたいのと気持ちを切り替えたいので事務所を借りることにしました。
条件としては以下を考えました。
ネットで色々と探しましたが、リージャスのレンタルオフィスを借りることにしました。理由としては初期費用が少ないことと机などの設備も付いていることです。光熱費も含まれています。
リージャスのサイトから、私が選んだ物件は芝大門のこの物件のプライベートオフィスです。一人で仕事をするのでこの程度で十分です。
家賃はと言うと59,900円、保証金は二か月分で119,800円です。
※本物件をご検討の方はレンタル費用についてはリージャスにお問い合わせください。
その他、この物件は選んだ理由としては以下があります。
【只今の費用】
初期費用:119,800円
月額経費: 73,800円
次にOA機器、通信機器を揃える。ちなみにネット回線はレンタルオフィスのWi-Fiサービスがあるので不要です。
構造計算を行う上でも必要なパソコン。それほど、高スペックな物は必要ないが、メーカーとしては、私の好きなHPにした。
ディスプレイ、オフィスソフト等を付けて、188,980円(税込)
プリンタ・コピー複合機はレンタルする事にした。カウンター保守契約で費用は月額11,000円
ここ↓を探せば、もっと安い所もあるかも。
一人での業務であれば、携帯・スマホだけで十分ですが、信用を得るには、やはり、固定電話の番号も必要。検討した結果、
ソフトバンクの電話サービスおとくライン.jp
にしました。
初期費用は無し、月額基本料金2,050円。通話料金は7.9円/3分なので月に3時間電話しても500円程度。
電話期本体はAmazonでこれを購入。
新品価格 |
仕事用のスマートフォン・携帯電話も欲しい。もちろん、個人のスマートフォンは持っていますが、取引先の中には深夜、休日関係なく連絡してくる人も居ます。
個人の携帯だと出てしまう事あるし、呼び出し通知があると落ち着かない。仕事用の携帯は別にして、仕事が終わった時はオフにしておこう。
さて、私が選んだスマートフォンはワイモバイルのこれ。
データ通信量は3GBで十分。通話は多くなると思うので、「スーパーだれとでも定額(1,100円/月)」を付けて、月額3,978円
今や、ほとんど使われなくなったFAX。しかし、未だ必要な場合もある。受信出来る環境だけは整えたい。そこで選んだのは【Message+】
。
使わないので、とにかく、安い方が良い。月額950円です。
何故、こんな物が必要かと言うと事務所名をドメインにしたメールアドレスが欲しい。さくらのレンタルサーバ
を契約することにした。
初期費用1,048円、年額1,543円です。
WEBサイトスペースもあるので時間がある時に事務所のWEBサイトを作ろう。
以上、費用は初期費用194,958円、月額18,478円、年額1,543円
【只今の費用の合計】
初期費用:314,758円
月額経費: 92,278円
年額経費: 1,543円
そして、構造設計を行う上で無くてはならない構造計算プログラム、その他業務ソフト。
建築構造設計べんりねっとに『全て、フリーソフトで構造設計をする』
と言う企画があるが、構造事務所を立ち上げ、業務をするとなるとそれは難しい。
最も重要なソフト、一貫構造計算プログラム。今まで使っていたのは構造ソフト社のBUILD一貫。違うメーカーに乗り換えようとも思ったが、
やはり、使い慣れているのが一番と思い、BUILD一貫にする事にした。
BUILD.一貫Ⅴ:1,650,000円。年間プログラムメンテナンス料金として、79,200円。
基礎設計関係のオプションのBUILD.GPⅣ(396,000円)、BUILD.地盤・柱状/液状化(88,000円)
その他のプログラムは必要に応じて、レンタルしよう。
二次部材計算プログラムも使い慣れているストラクチャー社のRC&Sチャートにした。
価格は、140,800円。
CADは、フリーのJW-CADで十分。価格はもちろん、0円
オフィスプログラムはパソコンに付いているので不要。その他、業務ソフトとして私がかかせないのが、Docu Works(価格:17,380円)
後はマカフィーのセキュリティソフト(価格:9,980円)。
以上、費用は初期費用2,302,160円、年額79,200円
【只今の費用の合計】
初期費用:2,616,918円
月額経費: 92,278円
年額経費: 80,743円
構造計算プログラムが入って、一気に初期費用が増えた。
構造設計を行う上で必要なものとして、各種構造設計指針を揃える必要があります。数多くの指針がありますが、日本建築学会の図書館に事務所が近く、調べものはそこで出来るので必要最低限の指針のみ揃える事とします。
建築物の構造関係技術基準解説書 2015年版 (価格:8,800円)他、15冊ほどで、〆て、100,000円。
その他、年間15,000円程度は書籍代にかかるだろう。
【只今の費用の合計】
初期費用:2,716,918円
月額経費: 92,278円
年額経費: 95,743円
さて、業務に必要な物は全て揃ったが、忘れてならないのは業務を行う上での各種手続き関係。構造設計事務所を個人で開業にするには以下が必要です。
①開業届け
新たに事業を開始する時には開業届けが必要です。届出を行う場所は所轄の税務所になります。
手数料は不要です。
②転入届け
事務所に郵便物を確実に届けてもらうには郵便局に転入届けを出す必要があります。
こちらも手数料は不要です。
③建築士事務所登録
ご存知の通り、業として設計を行うには建築士事務所の登録が必要です。
一級建築士事務所登録手数料は、18,500円になります。
http://www.taaf.or.jp/regist/01.html
これで構造設計事務所設立完了です。
費用は〆て、以下の通りです。
初期費用 | 月額費用 | 年間費用 | |
事務所家賃 | 119,800 | 5,9900 | |
通勤費 | 13,900 | ||
パソコン | 188,980 | ||
コピー複合機 | 11,000 | ||
固定電話 | 4,930 | 2,550 | |
携帯電話 | 3,978 | ||
FAX | 950 | ||
レンタルサーバ | 1,048 | 1,543 | |
一貫計算プログラム | 2,143,000 | 79,200 | |
RC&Sチャート | 140,800 | ||
その他、ソフト | 27,360 | ||
書籍 | 100,000 | 15,000 | |
事務所登録 | 18,500 | ||
合計 | 2,735,418 | 92,278 | 95,743 |
初期費用としては、300万円程度、月額経費10万円、年間経費10万程度となります。
すぐに業務を開始したとしても、設計料が支払いされるのは3ヶ月後とかになると思います。これを考えると構造設計事務所を開設するには個人的な貯えは別として、500万円程度は用意しておく必要があると思います。
まあ、構造設計事務所開設の準備で最も必要なのは、確かな構造設計技術と仕事を依頼してくれる良いクライアントを見つけておくことですね!
構造設計事務所、独立するには何年かかるを調査してみました。
『建築構造設計べんりねっと』が解説する構造設計一級建築士 資格取得ガイドです。構造設計を行うには必須の資格です。
少し趣味が悪いと思われますが、構造家と呼ばれる人達の学歴を調べてみました。
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