建築構造。構造設計に関わる特許を調べてみました。さて、夢の構造方法はあるのでしょうか?
構造設計の実務に使えるアイディアはあるのでしょうか?
特許については、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」
と言うサイトで調べる事が出来ます。
皆さんは“特許”と言うものに対し、どのようなイメージを持っていますでしょうか?『発明で一儲けを
狙う人が取得するもの』とのイメージを持っている方が多いと思います。実際に競合他社に対する優位性を
独占するために特許を取得している会社も多いです。
特許には一つの考え方として、『社会に貢献するために発明を公開する。その代償として、一定期間の独占権
を与える。』があります。
そうなんです!良いアイディアは一定期間後に使って良いのです!
早速、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で特許を検索してみました。(キーワード検索が可能です。)
建築構造、構造設計に関わる特許も数え切れないくらいあります。出願者で多いのは、やはり、大手ゼネコン、
大手ハウスメーカー、メーカーなどです。中には設計事務所や個人で出願している人も居ます。
特許の中には、「こんなものが特許になるのか?普通じゃないか?」と言うものもあります。特許の内容を
良く読んでみると一般工法の中のほんの一部の部分のみの特許です。一見、いかにもその工法がその会社の特許の
ようにも見えます。弁理士さんの腕によるところなのでしょう。自社の製品、工法、サービスに対し、“特許取得”
と表記をしたいがために特許を取得したものなのでしょう。
また、「こんな事が出来るのか?こんな方法で大丈夫なのか?」と言うものもあります。実際に使用するとなると
建築基準法への適合や大臣認定が必要ですが、特許には建築基準法は関係ありません。また、実際に出来る出来ない
ではなく、“アイディア”に対するものなので、そのような特許も存在します。
出願者:竹中工務店、HEROZ株式会社
出願番号:特願2017-252614、出願日:2017/12/27
出願者である竹中工務店、HEROZ株式会社の組合せでピンと来る方も多いと思います。そうです。竹中工務店が2017年11月17日に
開発に着手したと発表した「構造設計業務を支援するAIシステム」に関する特許です。構造設計作業の70%を削減とまさに夢のシステム
です。
出願者:大和ハウス工業株式会社
出願番号:特願2017-251576、出願日:2017/12/27
これは、構造計算を行わない低層建物の固有振動数を算定する計算式f=A・√(1/La)に対する特許です。
特許と言うより、建築学会の論文で発表すべきものと思いますが、このようなものが特許=発明になるのですね。
構造計算を行わない低層建物とはいわゆる四号建物の事と思いますが、固有振動数を算定して、何をするのでしょうか?
普通の構造計算を実施した方が良いと思いますが。
出願者:春城芳英、他
出願番号:特願2017-109522、出願日:2017/06/01
上に書きましたが、特許は“アイディア”に対するものです。実験を行ったり、大臣認定を取得したりする必要もありません。
そのアイディアを企業が採用してくれたら、大儲けが出来るかも。
特許を取得するにはどのくらいの費用がかかるか調べてみました。
●特許取得のための費用
・出願にかかる初期費用:約35万円
・出願後、特許取得までの費用:約45万円
【総額】約80万円
●特許維持に係る年間費用
・10年間維持:約25万円
・20年間(満了まで)維持:約100万円
(みなとみらい特許事務所様のサイトより)
結構かかるのですね。でも、これは!と思うアイディアをお持ちの方はぜひ、チャレンジを!
東京都品川区にある建築倉庫ミュージアムで開催されている『構造展 -構造家のデザインと思考』に行ってきました。
「超高層ビルとは、高さ何メートルからですか?何階建てからですか?」
少し趣味が悪いと思われますが、構造家と呼ばれる人達の学歴を調べてみました。
構造家の系統を世代別にまとめてみました。現在の構造家の本流は?