ずばり、構造の経済設計の必殺技を教えます。
● 力の流れ、力学を理解する。
● 各種の構造設計基準に精通する。
この2つです。何か、裏技的なものを期待していた方、すいません。しかし、これが本質です。これが出来ていない人は構造VEの餌食になるのです。
構造計算は断面・配筋を仮定、構造解析結果確認、NG部分の対応、余裕が大きい部分の削減の繰り返しです。この際の対応が悪いと見当違いの補強となり、無駄にコストが上がってしまいます。具体的には断面検定結果、保有耐力計算の結果だけを見て、根拠や目的なく、部材や配筋を上げてしまうような人です。
こうならないためには、まず、構造設計の基本である力学を理解し、各種の構造設計基準に精通して下さい。
姑息なVE案、CD案を知るだけでは経済設計は出来ません。
構造家と呼ばれ、有名な建築家のパートナーとして、構造設計を行っている人達も予算関係なしに好き勝手に構造設計が出来る訳ではありません。
デザイン性が高い建築に係わるため、むしろ、予算をオーバーしてしまう事が多々あり、予算の制約のなかで構造設計作品を生み出しています。
以下の動画の中で東京工業大学の竹内先生がこのように言っています。
『建築基準法は建物が倒壊しないことを保証しているだけであり、財産を守る事は保証していない。予算は建築基準法ぎりぎりでも、どうやってレベルアップするかが腕の見せどころ。』
構造設計技術を磨くと言っても、一朝一夕には出来ません。時間をかけて、確かな構造設計技術を修得すると共に、経済設計技術も併せて、学んでいく必要があります。
経済設計にも正しい手法があります。VEネタ、CDネタを知識として溜め込むだけでは本当の経済設計は出来ません。逆に正しい経済設計手法を理解していれば、
ベテラン構造設計者でなくとも、それになりに経済設計が可能です。